井関農機 国内草刈り機市場を本格拡大、電動化も推進 農機は「密播」仕様追加の乗用田植え機「RPQ5」投入2025年6月13日
井関農機は今後の国内での事業拡大に向けて、「欧州での草刈り市場での高いブランド力を国内に展開する」(冨安司郎社長)方針だ。電動乗用モーア「SXG327」を新たに発売するとともに、開発では「ランドスケープ技術部」、営業はISEKI JAPANに「大規模企画室」をそれぞれ新設した。脱炭素に向けて電動化への取り組みも強め、環境省や農研機構の事業に参画。農機では「密播」仕様を追加した乗用田植え機「RPQ5」シリーズを新たに発売した。
冨安司郎社長
同社の業績は「米価の回復もあり、農家の購買意欲も回復基調で上期までは順調」(冨安社長)に推移している。欧州事業も拡大しており、今期5億円増収計画だが「そんなものではない」と大幅な増収を見込んでいる。このうち、井関グループの国内の草刈り関連商品の売り上げは、25年5月までの直近で2016年比2.34倍と高い伸びを示した。
電動乗用モーア「SXG327」
国内でも空港や高速道路、公園、ゴルフ場など広大な芝草管理の需要が高まっているとみて、欧州で高評価を受けている「SXG327」を加えるなど品ぞろえの強化、電動化、ロボット化などでさらに拡大する。多目的サブコンパクトトラクター「TXGS」などの展開にも力を入れる。草刈り機を中心とするノン・アグリ(農業用以外)事業は今後3年で3倍程度の成長を見込んでいる。
今年10月から発売する草刈り機の新商品、乗用モーア「SXG327」は欧州景観整備市場で長年実績がある。リチウムイオンバッテリーを搭載し、650リットルと大容量で2mのハイダンプ仕様のコレクタ(集草機)を備え、トラックへの排出も容易に行える。そのほかにも高い基本性能と条件適応性、快適な居住性や操作性、安全性を持つ。オープン価格で350万~400万円程度を想定している。
こうした事業拡大に向けて、ランドスケープ技術部は電動草刈り機など「景観整備用機械」の研究・開発を行う。ISEKI JAPANの大規模企画室は、ISEKIアグリと連携して法人営業により草刈り市場などを開拓する。
バッテリー式OPE「EGO」
グループ子会社のISEKIアグリは、中国のCHERVON(南京市)との代理店契約により、バッテリー式OPE(アウトドアパワーエキップメント)の世界トップブランド「EGO」製品の国内販売・サービスも開始した。草刈り機などの製品はバッテリー、充電器とも日本仕様で共通化している。
今後の電動化への取り組みでは、環境省の農機電動化促進事業に参画して「電動乗用モーアの国内導入に向けた実証」、農研機構の農機技術クラスター事業に参画し「小型電動農業機械用バッテリー保持機構の開発」などを進めている。脱炭素では、電動化に加えて水素エンジンも含めて研究を進める。
乗用田植え機の「さなえ」「RPQ5」
今年6月に発売した、乗用田植え機の「さなえ」「RPQ5」シリーズは、2022年発売の本格ロータリー式乗用4・5条田植え機「RPQ3」の安全性を高め、低コスト栽培「密播疎植」が可能な形式だ。4条植えの「RPQ45」(税込み価格164万6700~215万2700円)、5条植えの「RPQ55」(同192万6100~239万9900円)の2形式がある。
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