若手農業従事者90人に聞いた「農作業と熱中症に関する実態調査」草刈り、薬剤散布は特に注意2025年6月6日
日本気象協会が推進する「熱中症ゼロへ」プロジェクトは6月5日、JA全青協の協力を得て、若手青年農業従事者90人を対象に実施した「農作業と熱中症に関する実態調査」の結果を発表。同プロジェクト公式サイト「熱ゼロ研究レポート」で公開した。
夏の暑さによる働き方の変化、90%以上が影響を実感
直近2年程度の夏の暑さについて、作業環境や働き方、作業時期への影響があったと回答した割合は、「とても影響を受けた(68.9%)」、「やや影響を受けた(22.2%)」と、合わせて約90%に上った。具体的な影響は、暑さを避けるため「1日の休憩頻度を増やした」が最も多く72.0%、続いて「1日の作業時間帯を前後にずらした」が58.5%、「1日の作業時間数を変更した」が39.0%と、働き方への工夫がみられた。
熱中症に注意が必要だと感じるのは「草刈り作業」や「薬剤散布」1人作業になりやすいシーンに注意
農作業中、農作業後において熱中症に注意が必要だと感じる人の中で、注意が必要な具体的なシーンや理由について詳しく尋ねたところ、草刈り作業や薬剤散布などの重労働のとき、エアコンの効いていないトラクターで作業するとき、個人農家やハウス内での水やり作業などの1人になりやすいとき、などが挙げられた。熱中症予防において、周囲の人が変化に気付くことのできる環境づくりも課題のひとつといえる。
農畜産物自体への影響 約95%が実感 特に生育・収穫量に影響
夏の暑さについて、農畜産物自体への影響はどの程度受けたと感じるか聞いたところ、「とても影響を受けた(65.6%)」、「やや影響を受けた(28.9%)」と、合わせて約95%が影響を受けたと回答。具体的には、暑さにより「農畜産物の収穫量が減った」が76.5%、「農畜産物の生育が不十分だった」が64.7%と、農畜産物の「生育・収穫量」に関して影響を感じていることが分かった。
その他の回答では、害虫の被害が大きかった、果実の日焼け、樹上でのドライフルーツ化、高温障害などの意見も挙がった。
同調査は3~4月、JA全青協の各県域委員長、会長など若手青年農業従事者90人(20代~50代)を対象にインターネットで実施。
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