新春特別講演① 無実を信じていた 「袴田事件」巌さんの姉・袴田ひで子さん2025年2月6日
2月4日、都内で開かれた農協協会・農協研究会共催の新春特別講演会では、「袴田事件」で袴田巌さんの再審・無罪を勝ち取った姉の袴田ひで子さんが講演。冤罪を晴らすための苦難の道のりを振り返り、「巌が(拘置所で)48年頑張ったことを、再審法改正に生かしたい」と語った。以下はその要旨。
弟(袴田巌氏)が58年たたかって、やっと再審開始になり無罪をいただきました。拘置所に48年入っていた弟は88歳、私は92歳です。
弟が勤めていた味噌工場で(殺人)事件が起きたのは私が33歳の時でした。すぐに電話すると、弟は「事件のことはよくわからんよ。土曜日に帰るから」と言いました。
弟は子どもを母の家に預け、毎週末、会いに帰っていました。一人暮らしだった私が母の家に戻ると、弟は自転車にまたがって近所の人とにこやかに話していました。
翌週、工場から母の家に戻る弟に刑事がついてきました。逮捕を聞いてびっくりし、電車に乗る勇気もなく、タクシーで母の家に急ぎました。
警察は早く犯人をあげなければと、弟を自供に追い込みました。4人も殺した人が普通に楽しく過ごせるわけがない。私は事件とは関係ないと思っていました。
母は無実を訴え裁判に通いましたが、一審は死刑判決でした。気に病んだ母は68歳の若さで病死し、半年後、父も後を追いました。
身内が警察のやっかいになると、兄弟でも親子でもあきらめたり見捨てることがあります。うちは6人兄弟でしたが喧嘩一つしたことがないほど仲が良く、無実を信じました。私は毎月、小菅の東京拘置所に通い、みかん、せんべい、大福などを差し入れました。
死刑が確定した折の記者会見では、その場にいた人がみな敵に見えました。再審決定が出る前の3年半は、面会を拒否されていました。それでも私は小菅に通いました。家族は見捨てないと伝えるためです。
2014年3月27日、再審決定が出ました。本人が歩いてきて、私と弁護士さんが待っていた部屋の長椅子にポンと座り「釈放された」。私たちは本当に喜んで、何もかも吹っ飛びました。
釈放後、精神科の病院に入院しましたが本人は出たくて仕方ない。清水市で開かれた集会に参加したのを機に、私の家で暮らすようになりました。
最初は、一日中家の中を歩いていました。買い物に連れ出すと、ある日「一人で行く。お化けの世界に行くから」というので「行ってきな」と送り出しました。最近は京都、大阪、名古屋とドライブに連れて行ってくれる方々があり、巌も喜んでいます。
巌には拘禁症の気があります。48年もあんなところに入れられて、まともでいろという方が無理でしょう。元に戻せとは言いません。再審法を改正してほしい。
巌だけが助かればいいんじゃない。冤罪被害者はたくさんいます。再審がなかなか通らないのは法が不備だからです。再審法改正へ、代議士、弁護士が頑張ってくれています。応援してください。まだ元気なので、私も一所懸命たたかっていきます。
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